紅筆を新しくして春隣り
足早に遠ざかる日の梅見かな
白木蓮や心の棘を見透かされ
抜け道を沈丁の香に教えられ
こみ上げる笑いに揺れるミモザかな
捨てきれぬ夢語らせて春夕焼